仕事の流れが止まるとき、見ているのは「人」ではなく「構造」
はじめまして。軸本のぞみです。
金融・化粧品・物流など複数の業界で、法人営業、販促、業務改善、プロジェクト推進などに携わってきました。
仕事をしていると、こんな場面に出会います。
「お願いしているのに、相手が動いてくれない」
「会議では決まったのに、その先に進まない」
「それぞれ頑張っているのに、部署をまたぐとうまくいかない」
以前の私は、こうした問題を「もっと丁寧に伝えればいい」「誰かが主体的に動けばいい」と考えることもありました。
けれど、さまざまな立場で仕事をするうちに、人が動かないときには、その人自身とは別のところに理由があることが多いと感じるようになりました。
止まっているのは、目に見える仕事の流れです。
けれど流れを止めているのは、たいてい、その裏側にある構造のほうです。
だから私は、人が動かないとき、まずその人の能力ややる気を疑うのではなく、
「なぜ、この状況では人が動かないのだろう」
と考えることを大切にしています。
異なる仕事で、繰り返し考えてきたこと
これまで約16年間、金融・化粧品・物流などの業界で、営業、販促、業務改善、在庫管理、プロジェクト推進などを経験してきました。
仕事内容はそれぞれ違います。
けれど振り返ると、私が繰り返し考えてきたことには共通点がありました。
「相手は、なぜ動かないのか」
ということです。
金融業界で法人営業をしていたとき、引き継ぎ当初の達成率は85%程度、営業65人中42位でした。
前任者と同じように「お願いして協力してもらう」のではなく、取引先ごとに相手の状況を知り、
「自分がどう動けば、相手にとってもメリットがあるのか」
を考えて行動するようにしました。
翌年、達成率は133%、営業成績は1位になりました。
化粧品メーカーでは、店頭販促物を担当しました。
ブランドの世界観を守ることは大切です。一方で、ブランドとして正しくても、季節や顧客の購買心理と噛み合っていなければ、商品を手に取ってもらうことにはつながりません。
そこでブランドイメージを崩さない範囲で、季節と購買心理を意識した表現へ変更しました。その施策では、売上が前年比130%となりました。
複数の部署が関わる大きなプロジェクトでは、各セクションが受け身になり、話し合いも表面的なまま進まない時期がありました。
このままでは期日に間に合わないと考え、各セクションの打ち合わせを設定し、軌道に乗るまで自ら参加しました。
その後は少しずつ各セクションが自分たちで動くようになり、最終的には、私が毎回入らなくても必要な不安や疑問が上がってくる状態になりました。
ほかにも、
- 営業部内の販促機能を整理し、残業を月約15時間削減
- 数百万円規模のトラブルについて、原因を整理し再発防止へつなげる
- 紙の会報誌をWebへ移行するプロジェクトを推進
など、さまざまな仕事に携わってきました。
「人が動かない」を、人だけの問題にしない
営業先が協力してくれない。
部下に任せた仕事が進まない。
部署同士がうまく連携できない。
新しい施策を始めても現場に定着しない。
こうした状況では、つい、
「主体性がない」
「危機感が足りない」
「もっとコミュニケーションを取るべきだ」
と、人に原因を求めたくなります。
けれど、その前に見るものがあります。
- 何を目指しているのか
- 誰が何を決めるのか
- それぞれにどんな事情や利害があるのか
- 必要な情報は届いているのか
- 本人が判断できる状態になっているのか
- その人にとって「動く理由」があるのか
ここに小さな「詰まり」がひとつずつ溜まっていくと、仕事の流れは止まります。
人を変えようとする前に、まず人が置かれている構造を見る。
それだけで、問題の見え方が変わることがあります。
このブログで考えていくこと
「流れを整える仕事帖」では、
なぜ、組織は思ったように動かないのか。
という問いを中心に、実務経験とさまざまな理論を行き来しながら考えていきます。
扱うのは、次の4つのテーマです。
- 人が動く理由 ── なぜ、この人は動かないのか?
- チームと関係性 ── なぜ、人が集まるとうまく進まなくなるのか?
- 仕事のしくみ ── 人ではなく、仕事のつくり方に問題はないか?
- 変化をつくる ── どうすれば、考えただけで終わらず実際に変わるのか?
私は現在、組織変革の専門家として活動しているわけではありません。
これまで現場で経験してきたことを土台に、組織行動、組織開発、チェンジマネジメントなどについて学びながら、
「人と組織が動くためには、何が必要なのか」
を自分なりに掘り下げている途中です。
だからこそ、理論だけで答えを出すのではなく、
「実際の現場ではどうなのか」
「なぜうまくいかなかったのか」
「何を変えたら動いたのか」
という実務の視点を大切にしていきたいと思っています。
こんな方に読んでいただけたら
- 経営と現場の間で、何かを前に進めようとしている方
- 部門横断のプロジェクトを任されている方
- チームをまとめる立場にいる方
- 業務改善や組織改革を担当している方
- 「正しいことを言っているはずなのに、なぜ動かないのだろう」と感じている方
人が動かないとき、誰かを責めるだけでは仕事は前に進みません。
どこで流れが止まっているのか。
その流れを止めている構造は何か。
どうすれば、もう一度動き始めるのか。
このブログでは、そんな問いを一つずつ考えていきます。